地域の暮らしを表す文化財
1月16日(火)まちなかの文化財に関わる打ち合わせ2件を行いました。
①深志神社の牟礼宮司と文化財課と、深志神社の絵馬郡約60件あまり、本町2丁目あめ市の際の「市神様(いちがみさま)」のご神体である神輿、本町1丁目の恵比寿様の3件を、市の重要文化財指定に向けて相談
②第二地区歴史文化継承委員会説明書の無形文化財作成作業
と文化財に関する仕事が重なりました。
深志神社は3年後の平成9年が、祭神である菅原道真公の没後1125年にあたるそう。25年ごとに記念行事を行ってきたといいますが、それまでに絵馬を市の重要文化財指定を受けたいという願いから、絵馬に関する資料や文献を、牟礼宮司がコツコツと整理してこられました。絵馬は絵馬殿に納めてありますが、現在天神祭りの時のみに公開しているとのこと。55件のうち八割方が深志城(松本城)藩主からのものだそうです。このうちの1点は、葛飾北斎の弟子で正安寺小路(現・高砂通)にいた抱亭五清の作品で、昨年県立美術館(長野市)で行われた北斎展に貸出され、美術工芸品としての価値も高いとされています。
本町の2つの文化財も、深志神社に普段、祀られていて神殿があります。
文化財課からは、絵馬郡については、将来的に松本城にまつわる神社に残存する絵馬郡としての価値づけ、また、そのほか2つについてはあめ市や商都関連の資料とし、それぞれ有形民俗文化財指定を考えていけるとのことで、文化財指定審議委員会に相談していくとのことでした。
第二地区の歴史文化継承委員会については、今年度は先に歴史マップを作製、さらに説明書についての校閲が行われました。無形文化財については、私も子供の頃に行ってきたお祭りやぼんぼん、だるま売り等の想い出を住民の声を集めたものもあり、時代時代の景色が目に浮かんでくるようで、このように記録に残すことはとても価値があると感じました。
有形無形、これまで先祖がこの地で紡ぎ続けた風土の暮らしと祈りを知ることはとても大切なことだと思います。現代社会において、「無駄」と切り捨てられてきたもの、日本人が日本人である所以であることをあらわす、四季折々の丁寧な暮らしや繋がりこそ、新しい時代にも必要なエッセンスになるのではと思わされます。
長野県でも、県教委が文化財の保存と活用の将来像を示した基本方針と推進体制を盛り込んだ「県文化財保存活用大綱」を3月までに示されるとのこと。これからの時代こそ、大切な分野になると思い、注視し、まちづくりにも落とし込みたいところです。